化粧筆のお手入れ、取り扱い方法
毛質について
化粧筆に使われている毛は、さまざまな種類があります。
用途や大きさにより厳選し、ときには異なる素材を混毛することによって、目的に合った化粧筆を作り上げていきます。
京都 六角館さくら堂の化粧筆は毛先をカットすることなく、自然な毛先を活かしているため、滑らかで柔らかい究極の肌触りを実現します。
化粧筆の価値は、原料の価格や品質、希少価値で決まるものではありません。
お使いいただく皆様の目的や用途、好みに合った化粧筆をお選びいただくことで初めて価値が決まります。
素材の特徴をご理解いただいたうえで、その良さを活かした使い方をしていただくことがとても大切だと考えています。
皆様のお化粧の目的や好みに合った化粧筆をお選びいただく際の参考にしてください。
・山羊
しなやかなコシと耐久性があり、良質で長い毛が取れるのでいろんな形状に加工されています。
一本一本クリンプ(縮毛)になっているため発色・粉含みが非常によく、粉飛びが少ないのでとても扱いやすいです。
比較的入手しやすい素材なので、手に取りやすい価格帯で一般的に良く用いられています。
パウダーブラシ、チークブラシ、フィニッシングブラシ、ハイライトブラシなど
・粗光峰
山羊のあごの下や喉元の部分の柔らかい毛の部分を粗光峰(そこうほう)といいます。
通常の山羊毛に比べて毛先が細いため肌当たりがとても柔らかく、粉含みが良いのが特徴です。
リス毛に近い柔らかさを持つので、混毛してパウダーブラシやチークブラシに使われることが多いです。
パウダーブラシ、チークブラシ、フィニッシングブラシ、ハイライトブラシなど
・灰リス
化粧筆に使用される素材の中でも特に高級素材として知られています。近年では、長くて良質な毛が手に入りにくく、希少性が高まっています。
非常に細く柔らかい毛質で、繊細な肌当たりで、刺激に弱いお肌にも使っていただけます。
発色が優しく、シルクのような艶やかな仕上がりをお楽しみいただけます。
パウダーブラシ、チークブラシなど
・松リス
リス毛の中でもコシがあり、灰リスに比べてやや弾力があります。粉含みが良く、刺激が少ないのでアイシャドウブラシによく用いられます。
チークブラシ、アイシャドウブラシなど
全体的にコシが柔らかく、しなやかでストレート(直毛)な毛質です。肌なじみが良く、耐久性に優れています。
山羊毛に比べて粉飛びしやすいが、発色に優れているので、アイシャドウブラシやチークブラシによく用いられます。
山羊毛と同様に比較的入手しやすい素材で、品質も安定しています。体のほとんどの部分が原料として使えるため、部位によって毛質が変わります。
チークブラシ、アイシャドウブラシ、アイブローブラシ、リップブラシなど
・イタチ
コシが大変強く毛先が細く柔らかいので独特のしなりがあります。
耐久性がとても強いので、口紅やコンシーラーなどの油分の多い練り系の化粧品にも使えます
アイシャドウブラシ、アイライナーブラシ、コンシーラーブラシ、リップブラシなど
・コリンスキー(赤テン)
イタチより毛先が細く、肌当たりが繊細です。毛がまとまりやすく細かいラインが描きやすいので、アイライナーやリップブラシに用いられます。
こちらも年々希少価値が上がっていて、高品質な素材は入手が難しくなっています。
アイシャドウブラシ、アイライナーブラシ、コンシーラーブラシ、リップブラシなど
・セーブル(黒テン)
コリンスキーと同じ仲間。吸い付くようなしっとりとした毛質でコシがあり肌当たりも柔らかいです。
当店の化粧筆では、松リスとの混毛でアイシャドウブラシとして使われています。
アイシャドウブラシなど
コシがあってしなやかで毛先が鋭く粉飛びが少ない毛質です。毛が粗く一本一本がしっかりしているが、肌当たりが柔らかいので、短い毛丈でもチクチクせずに使えます。
当店では、スクリューブラシが人気です。
スクリューブラシ、アイブロ―ブラシなど
毛元が荒くて太いが、毛先は細くなっています。化粧筆の素材の中で最も硬くコシの強い毛質です。
耐久性が高く、優れた発色でアイブローブラシや、男性用のシェービングブラシに使われます。
アイブローブラシなど
化粧筆を長くご愛用頂くための取り扱い方法
【普段のお手入れ】
・パウダー系ブラシの場合
(パウダーブラシ、チークブラシ、アイシャドーブラシなど)
ご使用後は、ティッシュなどの柔らかい紙や布で、毛の部分を軽くなでるように拭いて穂先に含まれたパウダーを落としてください。
強く擦りつけると摩擦で毛が痛み、毛切れの原因となり肌当たりが悪くなりますので、ご注意ください。
臭いや汚れが気になりだしたり、肌当たりがチクチクするように感じたら、クリーナーを使ってやさしく洗ってください。
※すぐに汚れを落とす必要がある場合を除いて、アルコール等が含まれるクリーナーの使用は毛が痛み毛切れを起こしやすくなるので推奨しておりません。
・リキッド系ブラシの場合
(ファンデーションブラシ、コンシーラーブラシ、リップブラシなど)
ご使用後は、ティッシュなどの柔らかい紙や布で、毛に含まれた油分をやさしく拭って、形を整えて保管してください。
ファンデーションがきれいに仕上がらなくなったり、口紅がムラになり出したら、クリーナーを使ってやさしく洗ってください。
【化粧筆の洗い方】
①クリーナーでしっかり汚れを落とす
ぬるま湯にクリーナーを少量溶かした中で、やさしく揉み出すように洗います。(洗浄液に汚れが出なくなるまで2~3回程度繰り返します。)
洗浄剤が残らないように十分にすすいだら、ぬるま湯にトリートメントを溶かし入れやさしく揉み洗いをし、十分にすすぎます。
②水気をしっかり切って陰干しをします
柔らかい布やタオルで水気をしっかり拭き取り、形を整えます。
風通しの良い場所に、穂先を下、または平置きにして影干しにします。穂先の根元まで完全に乾た状態を確認してからお使いください。
※ドライヤーの使用や直射日光に当てると、毛を傷める原因になりますので避けてください。
【化粧筆の保管方法】
普段よく使う筆は、スタンドなどに穂先を上にして立てて保管してください。
しばらく使わない場合は、汚れを落としてから購入時に付属していたカバーもしくはブラッシュキャップ等を使って寝かせて保管していただくと形崩れを防げます。
※長期間使わずにおいておくと、カビの発生や筆の劣化に繋がりますのでご注意ください。
【化粧筆の交換時期】
穂先の毛が摩擦によってすり減ってきたら交換をお勧めします。
また、粉含みが悪くなったり、肌当たりが悪くなるなど使い心地が悪くなったり、著しく毛切れや毛抜けが起こった場合は新しい化粧筆への買い替えをお勧めいたします。
※長期間放置すると、毛が朽ちて切れることがあります。長くご愛用頂くためには、毎日使って正しくお手入れをしていただくことが一番です。
- 2024.02.06
- 10:48